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しかしRDF施設で重大なトトラブルの発生や、巨額な財政負担が生じる事態となると、この蜜月関係がかえって災いとなった。 地方自治法では、重大な問題が生じた場合、議会は特別委員会を設置して、調査権を行使して真相解明へことの是非を追及できる権限が与えられている。
残念なことに、RDFが重大な局面を迎えたにもかかわらず、議会は当局との蜜月関係が尾を引いて、特別委員会を組織できなかった。 自らも棺桶に片足を突っ込んでしまった経緯から、RDFのトトラブル発生以後は、自己の立場を正当化するだけの機能しか発揮できななっていた。
議員の弁明を聞けば、「RDFがこんな状態になるとは、当時まった予想できなかった」に終始するばかである。 トトラブル以後、何回か特別委員会設置の機会があったことを考慮すると、やはり、事業執行者の一員になったという議員の奮が、さらに事態を深刻化させたと言えないこともない。

施工メーカーとの直接交渉もできずへただ組合とメーカーの協議の結果を聞だけの存在になったと、指摘されても仕方ない状況が生まれてしまった。 結局、議員も今日の苦境を掌握できなかったという結果に終わるわけだが、それはまたへ一連の経緯から改めて議会の責務とは何かを、RDF症候群(シンドローム)に悩まされ、一部で苛立ちが出始めていた住民に問いかける結果となった。
〔RDF海外視察の評価は二分〕RDF導入に積極的な御殿場市ではへこの計画を強引に進めようとRDF開発に着手して特許を取得へプラントを動かしているスイスのK社へ、一九九二年(平成四年)二月、RDFを提案した芹揮孝治参事を派遣した。 この時は、小山町からもごみ処理担当のツプであるH孔司健康課長が同行した。
視察後に大庭健三御殿場市長、T和男小川町長、さらに大勢の幹部職員を前に報告会が開かれた。 御殿場市のA参事は、「RDFはごみのリサイクルの観点から有望」との見解を示した。
しかし、小山町のH課長は、「不安定要素が多一、導入には問題が残る」と回答した。 この視察ではスイスのプラントは定期点検を理由に稼働しておらずへRDFの消費も不調で、湿気を吸って崩れかけたRDFが裏の敷地に山積みされていたという。
スイスのプラントはその後も稼働が見送られ、結局、事業が中止されたことも、ずっとあとになってわかった。 報告会で、現物を直接見て、詳し調査する立場にあった職員の見解が真っ向から対立したことは、通例では計画の実行が見送られるかも再検討されることになる。
しかし、この時は、最終判断は保留された。 そこでA参事は、執念深機会を窺った。

さらに、国内にある小規模の類似施設を次々と広域行政組合議会議員に視察させて、RDFの利点を徐々にすりこんでいった。 視察は念には念を入れて、広範囲にわたり、十数回に及んだ。
組合議会議員にはRDF施設だけでなり、RDFを燃焼しているボイラーも見学してもらいへその都度、現地での係員に、「素晴らしい施設」の説明を吹聴してもらった。 視察後の細部にわたる評価は、だめ押しの形で御殿場市議会、小山町議会の議員にも逐一報告された。
関連で大分県津久見市にある実証プラントも見てもらった。 またへ地元に最終的な合意を得るためへ施設の立地先である小山町桑木区の住民も視察に招待して、不安の解消に極力努めた。
数段構えの仕掛けを用意して、じつと外堀を埋めていく作戦が功を奏して、それぞれが抱いていたRDFへの不信感は解消されていった。 そしてへついに建設検討委員会は、メーカーのプレゼンテーションを一通り聴という、段取を受け入れた。
当時RDFのメーカーはKグループ(M商事・ト重工業・E製作所・F)の共同企業体と、旧東洋燃機へ現在はK製鉄の傘下にある (日本リサイクルマネージメン)の一社だけだった。 この時点での国内実績は、RM方式が数段勝っていた。
可燃ごみのRDF処理の流れは、両社とも、受け入れたごみをまず、大まかに破砕して可燃物に混ざった鉄やアルミの金属類、ガラスといっだ不燃物を選別機で敬除。 次にごみをさらに細かするためへ破砕密度の高い破砕機に運ぶ。
この工程を経て最後に、圧縮成形機でクレヨンに似たペレット状のRDFにする。 ただ、RDFシステムはごみピットからいきな焼却炉に運ばれる燃焼式と比べて、複雑な仕様となっている。
様々な処理工程があるため、多の処理機と付属機器類へごみを運搬するコンベアへこれらを動かす大型モーターの設置が必要となり、現場はまさにごみ固形燃料生産工場と言える。 同じRDFシステムでも両社の違いは、破砕した可燃ごみの水分を除いて固めるために使う添加剤だった。
1Kグループは生石灰を、RMは消石灰を利用していた。 1Kでは生石灰が水分に反応すると、熱を発生させるという性質に注目し、乾燥工程での燃料消費が抑制できると説明した。
また、1Kは破砕されたごみを乾燥前に成形機にかけてRDF化したあとへ乾燥機で乾燥させるが、RMでは破砕したごみを乾燥させたあと、成形するという手順となっている。 生ごみが可燃ごみ全体の一二〇%近を占める性質上、乾燥工程で灯油使用量が節減できて、ランニングコストも低抑えられるという点が、1Kが最も強調したセールスポイントだった。

確かにRMは、灯油使用量が多かった。 RDFに対する評価は、燃焼式との比較でも試みられた。
スカ炉(焼却炉内の火格子を機械で動かして、ごみを移動させながら消却する方法)を建設する場合、試算では公害防止を含めると、二一〇億円かかるとされていた。 それに比べてRDF施設は、半額の六〇億円で建設できるとメーカー側は、具体的な数値も示して説明し、さらに、建設費プラス、完成後一五年間にわたる維持・管理費を含めても、燃焼式よりも五〇億円安なるとの試算を示した。
そのうえ、1K方式はRM方式と比較して、建設コスト、維持・管理費ともに安なるとの評価書を提示した。 〔ダイオキシン問題がRDFに追い風〕こうした状況もさることながら、RDFに有利な局面が訪れた。
全国各地で既設の焼却炉や施設周辺の土壌からダイオキシンが検出される事態が続々と起こった。 そればかかも焼却灰を埋めている最終処分場、そしてその周辺の土壌からも次々とダイオキシンが検出されるに至り、汚染パニックは加速した。
ごみ焼却は危険極まない処理方式の熔印を押されてしまった。 また、ダイオキシンがサリンの三〇〇〇倍の毒性を持ちも子孫にまで奇形、遺伝子障害などの影響を及ぼすとの報告もあり、焼却へイコール、ダイオキシン発生という構図が世論にできあがってしまった。
このダイオキシンシンドロームに便乗してRDFは、急速に注目されはじめた。 可燃ごみを固形燃料化するRDFは、「燃焼工程がない」へこれが切札となった。

だから、施設からは絶対にダイオキシンは発生しないというのが、最も強調されていった。 導入に積極的だった芹揮参事は、この期を逃さず、この点を強主張して、施設の安全性を力説した。
ダイオキシンは、御殿場市と小山町のごみ処理に伴う環境リスク、健康を心配する立地先の住民にも大きな影響を与えて、RDF導入へ追い風となった。


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